SSブログ

第146期マツダ株主総会 [車]

6月27日、今年もマツダ株主総会に行ってきました。


12062801.JPG
おなじみマツダ本社。天候は曇天。


12062802.JPG
ロビーにはコンセプトカー「SHINARI」が展示されていました。


12062803.JPG
受付で出席票を受け取ります。


今期は、歴史的な円高、ユーロ危機、タイの水害などの影響による損失を計上した結果、1077億円という空前の赤字となり、無配当となりました。

そのこともあってか、今回の株主総会では昨年より124人多い398人の株主が出席しました。
会場となった本社講堂はほぼ満員です。


また今回は、一部の株主から書面による質問があり、まずこれらへの回答が山内孝・会長兼社長よりありました。


質問「自動車業界の中で1社のみ赤字なのは何故か。」

回答「同業他社と比べ輸出比率が高く為替変動の影響を受けやすい。また今期は特別損失の前倒し計上を行ったことなどで大幅な赤字となった。厳しい環境下でも利益を創出できるよう構造改革に取り組んでいる。」


質問「株価について。」

回答「日経平均が短期間に大きく変動するなど、現在の株価水準について当社がコメントすることは難しい。事業環境の大きな変化に対応するため構造改革プランを着実・迅速に実行することで株主価値の向上を図る。」


質問「史上最低の賞与では社員の士気が下がるのではないか。」

回答「非常に厳しい経営環境にあるとの認識の下、全てのステークホルダー(利害関係者)に対して会社として姿勢を正す必要があると判断、社員の献身と生活のバランスを考えた末、史上最低となる3.3ヶ月分とした。」


質問「新卒採用を大幅に抑制することによる広島経済への影響について。」

回答「新卒採用の大幅抑制はまことに遺憾。2013年3月期は黒字を必達し中期計画達成の為にはぎりぎりまで踏み込まざるを得なかった。」


質問「役員報酬について。」

回答「会社業績および個人成績に連動し、時々の業績を反映したものとなっている。リーマンショック後は厳しい経営環境を鑑み、役員報酬の自主返上による減額をおこなっている。」


質問「大規模な増資により株式が希薄化したら、株主に対する責任をどう考えているか。」

回答「本年3月の増資では今後の成長資金確保のため1449億円の資金調達したが、結果として株式が希薄化したことは重く受け止める。今回の資金を基に構造改革プランを着実・迅速に実行し株主価値の向上を図ることが全てのステークホルダーの期待に応えることになると考える。」


質問「経営責任について。」

回答「2期連続無配については改めてお詫び申し上げる。4期連続赤字については、為替変動の影響を受けやすい構造の解決に向けて、中長期施策の枠組みに沿った活動を継続的に展開している。これまでの成果を利益に結びつけ当期以降の黒字転換を現役員体制で実現することが経営陣の責任を果たすことと考える。」


続いて会場の株主との質疑応答。
(注意:発言の順序は時系列ではありません。)


今期の無配と復配時期に関する質問がありました。


株主「今期無配は仕方ないが、どのような条件を満たせば復配するのか。」

山内氏「業績および事業展開、経営環境等を総合的に勘案し決定することを方針とし、長期的安定的配当の維持向上に努める。」



株主「(目標)経常利益(の達成時期)も明確に出来ないのか。」

山内氏「中期経営計画で示した数値目標が達成できることを前提とすれば、期間中のできるたけ早い時期に復配したい。」



株主「配当時期があやふや。」

尾崎清・副社長兼CFO「中長期計画として2016年3月期に営業利益1500億円を確実に達成することを約束することが最低限のラインだと思っている。来期すぐの確約は出来ない。」



株主「営業利益1500億円を達成しなければ配当は出ないのか。」

尾崎氏「それまでの出来るだけ早い段階で出したいということ。」



株主「今期の黒字が達成できなかった場合、役員の出処進退は。」

尾崎氏「出処進退を議論する前に、まず今期の黒字が確立できることが最大の使命と考える。具体的には高い評価を得ているスカイアクティブ搭載車をテコに確実な拡販を実施。円高に対する手段としてコスト改善を強化していく。赤字になったらそのときご相談させていただく。」(場内失笑)



株主「(株主優待として)車の値引きやレンタカーの利用などできないか。」

黒沢幸治・総務担当役員「今期の黒字化および構造改革を着実に実現することで業績を回復し企業価値を向上、すなわち株価を向上することが会社運営の基本と考えている。業績の回復に総力を挙げて取り組んでいく。」


注記:業績回復と復配時期の言質を求める株主と、それらを何とかあいまいなままごまかそうとする経営陣。株主の不満はつのるばかりです。


低迷する株価に対する意見がありました。


株主「現在の株価では(敵対的)買収の対象になるのでは。(敵対的買収に対する)備えはどうなっているか。」

山内氏「企業価値、株主価値を向上させ、市場から適正な評価を得ることが基本。そのために構造改革を急ぐ。親密金融団による劣後特約ローンの存在も買収を防ぐ大きな手だてになる。」


販売店の対応への不満や販売計画のまずさを指摘する意見も。


株主「(マツダの)セールスマンが来ない。他社のセールスマンはよく来る。販売はコミュニケーション。販売力の強化と言うだけならたやすい。」


株主「他社ディーラーへ行くと気持ちよく帰れるがマツダディーラーは頭に来て帰る。(場内爆笑) 他社はかゆいところに手が届く対応だがマツダ販売店は時間の無駄だ。国内販売シェアを上げれば円高など関係なくなる。社員教育をして国内販売シェアを上げてもらいたい。」


株主「販売店の対応が酷い。(一見)客がカタログをもらいに来たのに誰も対応しない。役員は一生懸命やってるのだろうが現場(販売)の方が弱い。販売力をもっと上げるべき。マツダは他社と違いファンの存在が大きい。販売店の教育を徹底すべき。」(場内拍手喝采)

稲本信秀・国内営業担当役員「そういう状況があることは認識している。お客様視点に立った活動を心がける。様々な面から情報を収集し対応している。」

注記:販売店の対応に対する不満は多くの株主に心当たりがあるようで、この指摘をした株主さんには盛大な拍手喝采が送られました。



株主「国内販売の担当者は他社の販売店の状況を視察・研究しているのか。」

稲本氏「マツダ本社営業および全国の販社のスタッフも各社ディーラーへ行き、お客様への対応や商品の説明、どんな競合車を念頭に置いてるかなどを調査している。」



株主「国内、広島県内シェアはどうなっているか。(販売)台数が伸びてもシェアが下がっていれば意味がない。」

稲本氏「広島県内の昨年シェアは前年並みの12.4%。全国一斉の営業活動に取り組んでいる。」



株主「CX-5ディーゼルを買おうとしたが3~4ヶ月待ちと言われて買えなかった。せっかくの商機を逸してしまっているのでは。」

稲本氏「想定以上の評価を得て大成功と思う一方、想定していた(受注)台数が低すぎたのは失敗。生産の方でフル残業、休日出勤で増産をかけている。輸出用生産枠も国内向けに振り向けて、(受注残の)解消に努めているのでご理解いただきたい。」

山内氏「私も(CX-5を)注文できないでいる。一台でも早くお客様にお渡しするということで社内の人間は乗らない(買わない)で待っている。」


企業やブランドのイメージや認知度について質問がありました。


株主「スカイアクティブ技術の認知度はどの程度か。」

金井誠太・モノ造り推進・ブランド強化推進・品質担当役員
「スカイアクティブ技術とは全てのお客様に普及・提供できる走り・環境・安全を最大限発展させた技術と捉えている。」

中峯勇二・営業領域統括役員「認知度の明確な数字を持っていないが、かなり浸透している。燃費と走りの良さを両立した技術として理解されている。」



株主「わかりやすい企業イメージ作りをした方が良いのでは。」

中峯氏「今後スカイアクティブ技術を搭載した車がどんどん出てくるので、スカイアクティブだけを強調するのではなく、マツダは燃費と走りが良い車という認知が市場で得られるような活動をしていきたい。」



株主「マツダブランドとしての認知度を上げるために何か出来ないか。例えばCMに松田聖子を使うとか。」(場内爆笑)

稲本氏「松田聖子を採用するかは別として(笑)、全てのお客様に走る喜びと優れた安全・環境性能をお渡しするというコンセプトをいかにCMで表すかをテーマにしている。」


ロータリーエンジンについて質問がありました。


株主「ロータリーエンジンについて今後の展開は。」

金井氏「現在のロータリーエンジンでは世の中に通用する物にならない。これからの情勢に充分耐えうる次のロータリーエンジンを研究し直し、いずれは世の中に適合できるロータリーエンジンとして再提供したい。」

折しも今日、RX-8の生産終了が発表されました。
マツダ、RX-8の生産を終了…最終モデルがラインオフ(レスポンス)


その他。


株主「株主総会の管理についてどうなっているか」

黒沢氏「不快に思われたことをお詫びする。」

注:質問の意味が不明で状況がわからないのですが、受付で何か不手際があった模様です。



やはり1000億円の赤字で無配となったことで、厳しい意見が相次ぎました。
ロータリーエンジンは生産終了しますが、新たにスカイアクティブ技術を柱とした商品展開し、今後早い時期での業績回復を期待します。
タグ:MAZDA
nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:自動車

nice! 1

コメント 3

コメントの受付は締め切りました
たど

> あんぱんち〜 さん
nice! ありがとうございます。
by たど (2012-07-01 23:34) 

うえ

たど様、こんにちは。^^
僕もmazdaファンであり、株式保有者なのですが、
総会が遠隔地(私は東京)故に参加できず、
その様子が気になっていたので とても参考になりました。
増資問題等いろいろありましたが、躍進して欲しいですよね。
by うえ (2012-07-02 20:52) 

たど

> うえ さん
コメントありがとうございます。
お役に立てて何よりです。
総会で株主さんがおっしゃっていたように、マツダはファンから株主になる人が他社より多いように思います。反面、経営陣に対する追求が甘くなりがちです。優れた技術を持っている会社なので早く立ち直って欲しいですね。
by たど (2012-07-04 21:30) 

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。