SSブログ

閑話休題:バベルの塔のコンピュータの性能はどのぐらい? [書籍・雑誌]

ヤングチャンピオン「バビル2世 ザ・リターナー」(野口賢)の連載が始まりました。
ヤングチャンピオンは私の守備範囲外なので未見なのですが、ネットの感想などを見る限りでは賛否両論あるようで。

「バビル2世」は言わずと知れた横山光輝先生の名作で、現在活躍する漫画家やSF作品に大きな影響を与えた作品です。
当然、今も熱烈なファンが存在しますので、ネットでの反応は理解できます。

さて、「バビル2世」の物語を構成する設定の根幹を為すものとして、「バベルの塔」の存在は欠かせないでしょう。

聖書にも登場し、本作でバビル2世の基地となる「バベルの塔」は、五千年前に地球で遭難した宇宙人(バビル1世)が、本星に救助を要請するための電波塔として、当時の地球人を動員して作らせたものという設定です。

その中心には宇宙船の部品を使用して作られたコンピュータが据えられており、様々な活躍を見せました。
その性能は「アメリカ宇宙局のコンピューターの百億倍の働き」をするそうです。

100419.jpg
(バビル2世、コミックス6巻196頁より)


かつて、オタキングこと岡田斗司夫氏はBSマンガ夜話「当時のNASAの百億倍だったら現在では机の上に載る」みたいなことを言っていました。
宇宙人のオーバーテクノロジーで作られ、故障を自分で修理して5000年以上稼働し続けるようなバベルの塔のコンピュータがその程度の性能なのでしょうか。
現在のコンピュータはバベルの塔のコンピュータに追いつき、追い越してしまったのでしょうか。

とりあえず検証してみることにしましょう。

コンピュータの性能の指標としてはFLOPS(フロップス)という単位がよく用いられます。
これは1秒間にできる浮動小数点演算の回数を表します。
今回も比較対象としてFLOPS値を用います。

次に、比較対象のコンピュータを決めます。
本作が連載されていたのは昭和47年(1972年)なので、これに近いNASAのコンピュータとしてILLIAC IV(イリアック・フォー、1972年)を用います。

ILLIAC IVはイリノイ大学が開発したスーパーコンピュータで、当時世界最高速のコンピュータです。その処理速度は150M(メガ=10の6乗)FLOPS

バベルの塔のコンピュータはこれの100億倍(10の10乗)としますと、
150×(10の6乗)×(10の10乗)
=150×(10の16乗)
1500P(ペタ=10の15乗)FLOPSとなります。

これがどの位の性能かといいますと、
2009年11月発表の世界最速スーパーコンピューター「TOP500」ランキングではアメリカCray社製の「Cray XT5」1.759PFLOPSを出しています。
何と、バベルの塔のコンピュータは「Cray XT5」の850倍の性能があることになります!

机に載るなんてとんでもない!
人類がバベルの塔の科学力に追いつくのはまだまだ先のようです。




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。